前回、鉄道から離れて、音楽の話になりました。
チェット・アトキンスが出たので、これにまつわる思い出です。
高校3年の時、私は、4人でバンドを組み、学校のフォークソングサークルに属していました。
自由な校風の学校で、放送局のオーディションなどへ行く時は、クラブ活動扱いで授業を公欠としてもらいました。
ある日、休み時間にギター雑誌の楽譜を見ながら「イエスタディ」を弾いていると、
音楽通と言われる輩が寄ってきて「お!チェットやないか」と、言います。
私は、意味がわからす「チェットって何?」と、聞くと彼は「チェット・アトキンスや!」と言います。
私は、「イエスタディはビートルズやないか」と言いますと
「そのイエスタディは、チェット・アトキンスのアレンジや、チェット・アトキンスは今年(1971)グラミー賞を取った、アメリカの有名なギターリスト、ミスター・ギターと言われて、ギブソンから楽器提供されてる」と説明してくれました。
なお、チェット・アトキンスは、グラミー賞を生涯で13回受賞しています。
私は、その時、初めてチェット・アトキンスの名前を知り、
以後、イエスタディを弾く時、「チェット・アトキンスの物まねです」と言って弾いています。
それから30年が経ちました。
友人の上岸裕がチェット・アトキンスとのツーショットの写真を撮ってきた時は「晴天のへきれき」と、
ぶったまげたものです。
その時の状況を上岸裕は次のように語っていました。
「ナザレスのマーチンの工場からナッシュビルへ帰って来て休憩しようとカフェに入ったら、
見たようなおじいさんが一人でポツンと座っている。
「えー!チェットアトキンス?」と思って、
「Are you chet?」と声をかけると、彼はにっこりして「Ye~s」と答えてくれた。
頭の中が真っ白になって何もいえなかったけど、ともかく近くにいた人にシャッターを切ってもらって写真を撮ってき
た。との事。
1999年のことでした。
それから2年後の2001年、チェット・アトキンスは77歳で亡くなりました。